
TEACHER INTERVIEWミュージカルは、感動をつくる授業

Q1|担当している授業について教えてください。
2年生の表現活動指導を主に担当しています。代表的な授業が、オリジナルミュージカルの制作です。上演時間は25分。9月のアルウィン祭で発表します。
準備期間は4月から9月までの約半年間。なかなか壮大なんです(笑)。最初は少人数のグループに分かれて、「どんなミュージカルにしたいか」を話し合うところからスタートします。
オリジナルの物語を一からつくってもいいですし、昔話に新しいエッセンスを加えても構いません。まずは自分たちのアイデアを自由に出し合い、みんなの前で発表します。そして、最後は投票で一つの物語に決めていきます。
そこからセリフを考えて台本をつくり、舞台で使う大道具や小道具、音楽も自分たちで考えていきます。学生自身が一からつくる。ここまで取り組める学校は、そう多くないと思います。
Q2|ミュージカル制作では、どんなことを学べますか?
仲間と一つのものをつくり上げる力です。
制作では、リーダーを担当する人、小道具をつくる人、音楽を担当する人など、それぞれが自分の得意なことを活かして役割を担います。
もちろん、チームで進めていくので、お互いの考えが合わなかったり、「どうしたら自分のアイデアを形にできるんだろう」と悩んだりすることもあります。
でも、そうした経験が大切なんです。
相手の考えを聞き、自分の思いも伝えながら、一つの目標に向かって協力する。そうすることで、相手の気持ちを大切にしながら、一つのものを完成させる力が身についていきます。
これは、保育の現場に出てからも必ず役立つ力です。
そして、何より心に残るのは、発表を終えたときに受ける子どもの歓声と大きな拍手かもしれません。
みんなで悩んで、考えて、最後までやりきったからこそ得られる感動があります。その瞬間を、ぜひ学生に味わってほしいですね。
Q3|保育の学校ならではの、こだわりはありますか?
ミュージカルは、園の子どもや保護者の方も見ます。
だからこそ、単に「面白い劇をつくる」のではなく、「子どもが見たら、どう感じるだろう?」と考えることを大切にしています。
たとえば、「意地悪」という言葉を「いたずら」に変えたほうが、子どもには伝わりやすいのではないか。悪役を懲らしめすぎると、かわいそうに見えるのではないか。物語として面白いかだけではなく、言葉や表現の一つひとつについて、「子どもの目線」で考えていきます。
保育の現場に出れば、お遊戯会や発表会などで、劇をつくる機会があると思います。子どもの気持ちを想像しながら表現を考える経験は、心を通わせる力にもつながっていきます。
Q4|ご自身が卒業生だからこそ、学生に伝えられることはありますか?
「最初から完璧にできなくても大丈夫」ということを伝えたいです。
私自身、玉成の学生だった頃は、実習や授業で悩んだり、「自分にできるのかな」と不安になったりすることがありました。ただ、玉成で経験したことや、先生方からかけていただいた言葉が、その後の自分の支えになっています。
だからこそ学生には、最初から何でもできる必要はないと伝えています。苦手なことがあっても、失敗しても、そこからどうしたらできるようになるのかを一緒に考えていけばいい。今の自分だけを見て、「自分には向いていない」と決めつけないでほしいと思っています。
そしてもう一つ伝えたいのは、自分の「やってみたい」という気持ちを大切にしてほしいということです。
私自身、音楽大学への進学やドイツへの留学、一般企業を経て、今こうして母校で教員をしています。学生の頃には想像していなかった道を歩いてきました。
だからこそ、「今の自分には無理」と最初から可能性を狭めるのではなく、「やってみたい」と思ったことに、まず一歩踏み出してみてほしい。その先にどんな道がつながっていくかは、やってみないとわかりません。
Q5|進路を考えているみなさんへ、メッセージをお願いします!
子どもの成長を、自分のことのように喜べる人は、保育の仕事に向いていると思います。
「子どもとうまく関われるかな」「自分にできるかな」と、不安に感じている人もいると思います。でも、大丈夫です。
私自身、玉成に入学した頃は、体が大きいこともあって、「子どもに怖がられないかな」と心配していました(笑)。
玉成には、プラクティカルスタディやフレンドリーウィークなど、段階的に子どもと関われる機会があります。
最初から完璧にできなくても、実際に関わり、先生や仲間と一緒に経験を重ねることで、少しずつ「子どもと関わるって楽しい」と思えるようになっていきます。
「自分にできるかな」と不安に思っている人ほど、ぜひ玉成に来てほしいと思っています。学生の「やってみたい」を一緒に考え、応援してくれる先生たちが待っています。